辻音楽師な日々

現代の竪琴「ライア」を弾いています。              BBS http://rara.jp/leier

辻音楽師のたび

いえ、シューベルトの歌曲とは何の関係もありません。
ましてや今週末のライアー交流会とも関係ないです。


先週からお世話になっている方が所属している合唱団にお手伝いに行っています。
私の担当は、ソプラノでもアルトでもましてやテノールやバスでもなく、
イングリッシュホルン


見たことがある方はああ、あのコブラ使いみたいな真っ黒いヤツね
小学校の音楽の教科書に写真あったねとかそんな感じかと思いますが。

アレでしょ、「新世界」交響曲の
「遠き山に日が落ちて」のヤツね、
とか
ラヴェルのピアノ協奏曲の2楽章、良いよね」
とか
幻想交響曲で、オーボエとこだまするヤツね」
とか

そんなイメージかと思います。
作りは、オーボエを二回りぐらい大きくした感じで音も少し低くなります。



それはともかく練習前日に確認の電話入れると
「明日は衣装合わせがありますのでよろしく」
「はぁ・・あ?衣装ですか? はいはい」
ああ、そういえば随分前だけれどサイズ聞かれような気がするなぁ・・・



で、当日練習場となっている某ホールに一歩入ったら


・・お?
なんか、部屋間違えた?今日はお花かお茶か民謡のお稽古日?
と言いたくなるような、おりえんたる〜な雰囲気が。



「あ〜、お待ちしてました〜♪」
と、間髪入れずに、品の良い年配のご婦人に掴まり、

「済みません、ちょっと脱いで下さいね」
「え?あ、はぁ」

ちょっと。
まっ。

まだ、私楽器出してないですけど。
てか、ケース持ったままなんですけど。


「あ、時間無いんで急がせて済みませんね」
「あ、いえ、お手数かけます」


えと。

これ、どう見てもブラウスとかワンピースじゃないよね。
絣の柄に白い襟で、えーと。


10分も経たないうちに、あっという間に何重にもぐるぐると帯が巻かれ
呆然としていると指揮者のセンセ
「はい、じゃ、最初から行きますね〜」


あの。これ着て吹くんですよね?


「あなたの役は、江戸時代の習い事のお師匠さんです」
「今のままでは・・・裸足ではまずいので。本番は白足袋を履いていただきます」


そら、私みたいにメリハリのない丸顔でぼーっと裸足に草履でつっ立ってりゃ
お師匠さんみたいな品も威厳、ありませんて。


てか、西洋楽器立って吹く時って軽く足開いて、つま先も外向きになり
はいひーるにロングスカートだと、これ、かっちょええんですよ。
ステージ袖から出てくるときに、少し大股で「カッ カッ カッ・・・」
てな感じですねんでも、着物ではそうはいかないわけで。


私のこの今の状況、豆鉄砲300丁ぐらい目の前に並べられた
寝起きのハトみたいな顔して。
「・・・・とーちゃん、なんだか大変なことになってしまったよ」
とでも言いたくなるような。

ああ、そうだ、こういうキャラクター、居たよな。
なんて、言うんだ、あの懐かしのアニメ・・・

そう、



天才バカボン」 



・・・ぼん、ぼん。
・・・ぼん ぼん ぼん。
・・・ぼん ぼん ぼん ぼん。


(ホントに、そういう歌詞なんですよ、その合唱曲が)


ハイ。


今度の練習には足袋、用意してきます。
歩く練習からはじめなければ。



ぼん、ぼん。