辻音楽師な日々

現代の竪琴「ライア」を弾いています。              BBS http://rara.jp/leier

チューナー

ライアー掲示板のデジタルチューナーの話題で盛り上がってる所で水差すように
「音叉、音叉」と連呼してるので
「辻音楽師は機械嫌いな頭の固いコテコテのアントロポゾフだ」
とか勘違いされそうなので、なんか書いてみよう。


実は、デジタルチューナーとの付き合いは古いです。
その現物をはじめて見たのはたぶん、小学生の頃。


家族全員音楽やってて
耳が良くて口の悪い人々の多い辻の実家では
「音痴計り機」とか呼ばれてました。


いや、実際には音痴であるかどうかを測定(?)する為に合ったのではなくて
普通に調律の為にあったんだと思います。


当時のチューナーは、A〜Hまでのダイヤルが付いていて
計りたい音にダイヤル合わせて音を出すとふわ〜んとゆっくり針が動いてゆっくり止まる
みたいな結構呑気な機械だったと思います。


ちょっと音感のよい人だと、チューナーが針を示すまで待てなくって
自分で音が合わせられたりとか(笑


おまけにやたらに重たかった。
値段も結構高かったと思うし。


高校生になってからオーボエ吹くようになったんですけれど
これにはかなりお世話になりました。
管楽器の基礎練習でロングトーンというヤツがあります。
10ぐらい一つの音をながーく伸ばし、その音を自分耳を澄ませ
呼吸や口の構えなんかを整えていく基礎の基礎です。


普通はメトロノーム使いながらたとえば「ド」の音を8拍伸ばしたら
次は「レ」の音を8泊伸ばす・・・みたいな練習をするんですが
辻は、致命的に音程が取れなかった。

いや、耳ではわかるんですよずれてるって。
要は口の周りの筋肉がコントロール出来てないとか息の出し方にムラがとか
そういった、肉体的な問題。


あと、根性。
ええ、今と違って辻にも根性座ってた時代がありました(何


で。


ひたすら、チューナーに向かってロングトーンしました。
針がぴたっと真ん中で静止するまで、ひたすら。



最初は全然無理。

絶対無理。

もう、絶望的。



でも、まぁ、どんなおヘタでも続ければそれなりになる物で。
一年ぐらいでなんとか針が真ん中近辺をウロウロする、ぐらいにはなりました。
そうこうするうちに、チューナーの機能も色々増えてきて
音一つごとにダイヤルやボタンで合わせるのではなく
オートチューナー、つまり、どの音を出してもその音のエリア内(ドならドの音として)で
音が合っているか自動で切り替わる機械ができたんですね。


まぁ、今ごく一般的に使われているようなタイプです。
(機械その物はもっとごつくて重たかったです)


これは、とても画期的でした。
何ができるかというと、曲を吹きながら、その曲を構成している音の高さが合っているかどうかが瞬時にわかるわけです。


たとえば「ドレミファソラシド」と吹いたとします。
で、もし「ド」から「ミ」まで合っていて、「ファ」が低く「ソ」が高い、なんて感じだと、「ドレミ」までは針は静止していますが、「ファ」で左に揺れ、「ソ」で逆方向に思い切り振れ
みたいに、視覚的にすごくバタバタと落ち着かないんですね。


興味がある方は、ライアにチューナーピンマイク付けたままグリッサンドしてみて下さい。針が全く振れなければ、その楽器はちゃんと調弦出来てるってことになります。


楽器はじめて初心者で、しかもいつも側で一緒に練習する上手な人とか付きっきりで
手取り足取りチェックしてくれる人が居ない場合(まぁほとんどそうだと思いますが)
チューナーってとても便利なんですよ。


ただ、実際に演奏するときに針とにらめっこするわけにはいきませんし
自分の技術が上がって音感も慣れてきたら、使う頻度は減ってくるんだと思います。


・・・つづく(たぶん)