辻音楽師な日々

現代の竪琴「ライア」を弾いています。              BBS http://rara.jp/leier

パンク

・・・という文字を見て、私が髪の毛を逆立ててエレキギター持って暴れている姿を想像したあなた、そう、そこのあなた!!

とか言っている場合ではない。

駐車場に車止めて、帰ろうとしたら、なんと、右後輪がぺしゃんこになっていたのだ。タイヤに釘がぶっすりと突き刺さっている。滅多に見れない光景とあって、すぐに人だかりができた。

私が住んでいるのは結構田舎だったりする。
田舎ってトコは人情も厚く、隣近所の人がどうしているか
みんながよく知っていて、困った時には助け合えるトコでもある。

・・・きっと、週明けまでに、町中に車がパンクして困ってる私の噂は広がるに違いない。


それはともかく、通りがかった顔見知り(といって、この田舎でほとんど知らない人も居ないのだが)の女性が「大丈夫?」と声をかけてくれた。

「なるほどね」
・・・と、彼女は見る間に工具を取り出し鮮やかな手つきでジャッキをくるくる上げて、あっという間にスペアタイヤと交換してくれた。彼女は、以前、中古車センターに勤めていたそうで。


「田舎じゃ、なんでもできんと生きていけんし」
と爽やかに語った彼女は、女神さまのように光っていた。
そう、ロングヘアーをなびかせた彼女は美しかった。


そうだ、田舎では何でもできないと生きていけないのだ。
「楽器を持っていなければただの人以下」の私は田舎では限りなく無能に近い。


こんな所で暗くキーボード叩いている場合じゃないのだ。道ばたで壊れたクラリネットを持って「パパに怒られる」と泣いているとしているこどもを見つけたら、「かしてごらん」と行って鮮やかに直し、にっこり笑って「はい」と渡すぐらいの事は必要かも知れない。


そして、
「田舎じゃ、何でもできないと芸人はつとまらんのよ」
とさらりと言ってみたい(泣)