辻音楽師な日々

現代の竪琴「ライア」を弾いています。              BBS http://rara.jp/leier

東京に行く

ン年振りに、とーきょーに行って来ました。巨大なアルト君も一緒でございます。目指すは、西武池袋線沿線、「ライアー響会」の指導者講習。時間が余り取れなかったので、寝台車で行ってその日の夜に新幹線で帰るという慌ただしさでございました。

12日の早朝、東京駅に着きまして、重たい楽器ケース持って
「これはライアーではない、チューバだ、片手で持てるぐらい軽いチューバだ、」と暗示をかけながら駅の端から端まで歩きましたです。

で、私には一つ野心があったのです。それは
東京駅に着いた田舎もんの団体さんが迷ったとき必ずココに来るように、と指示される待合い場所「銀の鈴」でございます。かつて、高校生の頃、初めておのぼりさんしたときに訪れて衝撃を受けた、なんだかぬぼーっと、銀、と言うよりは鉛色の薄汚れたような巨大な鈴と、壊れかけたコインロッカーに傷だらけのベンチが並んだ、なんともうら悲しい一角です。人通りもほとんど無く、暇そうなオッちゃんが座り込んで、昼真っからワンカップを飲んでいたりなんかするわけです。

で、大都会東京のど真ん中のエアポケットみたいなその場所で、アヤシくアルト君を取り出してシューベルトの「辻音楽師」を弾き、誰も見ない、誰も聞かない・・・それでも黙々と弾き続けるというおバカな事をやってみようかとワクワクして行ってみたんです。


しかし、10数年(サバ読むなって)の歳月はそれを見事に裏切りました。
私の記憶に残る寂しげな「銀の鈴」は、なんとぴかぴかに塗り直されて透明ケースに収まり、明るいライトに照らされ、おっしゃれ〜なコーヒースタンドができ、曲線を描くナチュラルカラーのベンチには、たくさんの旅行客はもちろん、恋人達が寄り添い座るにぎやかな場所と変貌を遂げていたのでございます。


こんな所でライアーなんか取り出したら、物珍しがって人垣ができるのは間違いありません。


そんなん、全然うらがなしくないやん。


私はすごすごと、失意のうちにその場を立ち去ったのであります。

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え?、ライアー響会のレポートですか?
えーと。

30台以上、丸っこいゲルトナー系の優雅な楽器が集まる中、
いや、もう、ウツクシイ響きに包まれてシアワセになりましたね。

シャープなフォルムのコロイの楽器は二台だけでちょっと目立ったかな。
コロイのアルト持ってる人は珍しいようで、そこに集まった中では
唯一最低音Cが出る楽器だったのでちょっと重宝されました。
皆さんが持ち寄った楽譜を配って頂いて、初見で数曲アンサンブルする。

・・・って、楽譜見ながらライアー弾いたことほとんどないことに気づく。
ヘ音記号と、指が連動してないっ、あせっ。

その筋で有名な方とか伝説な方とかとも間近にお話しできて、私みたいに何の因果か楽器持ってるってだけで教師やる羽目になっちゃった気の毒な方とかとも、色々交流。いや、楽しかったです。