辻音楽師な日々

現代の竪琴「ライア」を弾いています。              BBS http://rara.jp/leier

無題

海に浮かぶ月、みたいな「水と月」という組み合わせは好きとかを
通り越してもう引き込まれてしまうのだけれど。
水平線から月が離れる瞬間はこの世とあの世が繋がったような
不思議な感覚にとらわれる。月が昇る時は水平線から少しずつ
離れるのを水が惜しむかのように腕を伸ばして。
水面に長く月明かりが伸びて、揺れて、無数の小さな光が
生まれる、光の群れは、闇の中でも波が生きている事を
私に思い出させてくれて。


やがて、月は空高く昇り、水面にぽっかりと自分の
「影」を落とす。その光景は全く鏡のようで。


私は自分の頭上と足下のどちらが天で、どちらが地なのか
わからなくなり夜空の波に身を任す。



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死は離別でなく、異世界への旅立ち。


ある人はその人の微笑みを瞼裏に写し
ある人はその人の声を闇に聴く。


扉はどこにでもある。


私は体の奥からわいてくる微かな囁きと
空間から流れてくる音をつなぎ、自分自身が響きになる。



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ライアを手にしてしまった瞬間から
私の指は 死に行く人と死んでしまった人と
これから死に向かう自分への響きを
感じるようになったのだろうか。


きっと何かの役割があるとどこかで誰かが
言ってた様な、そんな気もする。