寝床
お稽古が終わって、自分のお爪を買うために先生に箏屋さんに連れて行っていただき
ました。
箏の爪は象牙とそれを指に固定する動物の皮で作られています。
必要なのは親指、人差し指、中指の3種類でそれぞれちょうど良い大きさになるよう、指を合わせて作っていただくのです。人差し指と中指は特に問題は無いのですが、親指にはぼっこりと大きなオーボエダコ。箏屋さんがおっしゃるには、やはり時々ペンだこが大きな方もいらっしゃるそうです。
タコが大きくせり出しているところまで少し深めに差し込み、そのタコが爪の支えになるよう、少し深めに作っていただきました。
そして、お爪を入れるケース。指輪用の宝石箱を少し横長にしたような感じで
外側は織物で包まれています。朱、臙脂など赤系統の色が多かったのですが、
青みがかったシルバーの地に「金」のラインで幾何学模様が描かれたケースを
見つけ、吹奏楽育ちとしては、思わず反応。
箏屋さん曰く
「この色のケースを持たれている方は少ないですね」
即決!
金色の光のすじの中に、白く柔らかな色合いのお爪が静かに横たわります。
象牙も、皮も、動物のからだの一部、尊いその命をいただいています。
金の輝きに包まれた特別な場所でビロードの敷布の上で、ゆったりと休んで下さい。
そして、時々目覚めて私と一緒に美しい響きを奏でて下さい。
爪さん、どうぞよろしくお願いします。